約束を果たしに ~車いすで箱根温泉旅行に挑戦~ #1

私は旅行が嫌いではありません。

一人暮らししていた20代前半は、小金が溜まったら引越しか貧乏旅行をするのが何より楽しみでした。

でも、猫と暮らすようになって長期の旅行が難しくなりました。
そして主人と知り合い、何度か近場には出かけましたが、2年もたたないうちにご承知の通り
旅行どころか近所に出かけるのも気軽にできない環境になり…。

テレビの旅番組か、旅行記ブログで『旅気分』を味わうのが精一杯の毎日です。

せめて車があればいいんですが、最後にハンドルを握ったのが10年以上前のペーパードライバーですし、
現状では購入費用も維持費も負担が重いのです。

だいいち去年は、主人を旅行に連れていきたい気持ちはあれど、
実行する体勢が整っていませんでした。

それが昨年秋頃から徐々に体力がつき、排泄コントロールが安定し、
年末には、再び口から食べることができるようになりました。
うん、これなら1泊程度ならいけるも!そうだ、来年こそぜひ連れていこう!
そう思うようになったんです。


場所は決まってます。
箱根。
主人は発症前から『温泉といえば箱根』でした。
なぜかというと、青春の思い出の場所だから。
学生時代、夏休みに箱根のホテルでアルバイトをしたんですって。
その甲斐あってベッドメイクがすっごく上手でした。
今もシーツのシワは気になるらしく、寝る前に手できれいにのばしてます。

当時働いていたホテルの名前は分かりません。
分かればぜひ連れて行ってあげたかったんですけどね。
話せる時にしっかり聞いておけばよかったなぁ…。
実は現在、本人は若い頃の記憶がスパっとなくなっているそうで、
歌や事件は覚えているけど、自分がどこで何をしていたのか全く覚えてないのです。

だから箱根でアルバイトをした思い出も、イマイチ定かではないようで、
私がその話をしても「うーん」と首を傾げていました。

でもやっぱり、「箱根の温泉に行こうか」と声をかけると
ぱっと明るい顔になりました。
例え具体的な記憶はなくなっても、箱根に抱く印象は変わらないようです。

主人の消えた青春時代の思い出は、ダメージを受けた脳細胞と一緒に消え去ったかもしれないし、
何かのきっかけでぱっと蘇るかもしれません。
なおさら連れていってあげなくちゃね。

しかし、箱根…。
箱根か…。
そう、箱根のホテルって高いんですよね~~。
うーむ。



何しろ主人は車いす。
介助人は私一人。
メインは電車移動ですから、乗り換えが頻回だったり駅から遠いところは厳しいです。
館内に段差がある宿泊施設はアウト。
客室は当然、洋室&ベッドでないと無理です。
加えて紙おむつ使用なので、いわゆる大浴場は出入り禁止の身。
となると、バリアフリー対応の貸切風呂か、客室に温泉が引いてある部屋でないと、
せっかく温泉に行く意味がありません。
まー、ここまで条件が揃っているところって、少ないですよね。

とりあえずネットで探してみます。
ない。
あっても高い。
金・土曜泊りだと最低でも3万円台からでしょうか。
7、8万というのもざくざく出てきます。
うっそー。

うーむ。
もっとひなびた温泉地だと、2万円以内で結構出てくるんですが…。

あまりに高い予算にめげてしまい、一旦宿さがしは中断(12月から2月まではもも猫のことがあったので)
3月上旬になってようやく本腰を入れて探し始めました。

現実を見定めて、金・土曜泊まりはあきらめ、日曜泊まりにしました。
日曜泊まりは平日と同じ扱いなので、かなりお安くなるからです。
月曜に仕事を休むのは大変申し訳ないんですが…。
怖いのは帰ってきた翌日、疲労でデイサービスを休む可能性があること。
そうなったら弟と訪看さんを頼んで凌ぐしかありません。
ま、どうにかなるさ!


ホテルは『湯本富士屋ホテル』に決めました。
箱根湯本駅から徒歩3分という立地が良いですし、
ここは一室だけ、部屋に温泉を引いたバリアフリー客室(当然洋室)があるんです。
レストランは和洋中と揃っています。
予算はかなりオーバーですが…。
でもこの際、しょうがない!!

幸い希望の日に予約が取れました。

問題は食事です。
せっかく行くのですから、一緒においしいお料理を頂きたいです。
でも、さすがに通常食は無理でしょう。
食材を小さく切ってもらう程度ならやってくれるでしょうが、
危険な食材を取り除いたり、とろみをつけたりってやってくれるのかな…。
悩んだ末、ホテルにメールで問い合わせてみることにしました。

すると、『刻み食』には対応してくれると返事がありました。

刻み食かぁ…。

主人には合わない食形態です。
咀嚼する力が衰えた人には有効だと思いますが…。

どうしよう。
どうしようか悩んでいるうちにGWが終わってしまいました。
やばい!
どうにかしなくちゃ!

<続く>
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Comment

  • 2012/05/24 (Thu) 12:20
    poco #JnoDGgPo - URL

    よくここまで回復されましたねえ
    mikomonaさんが回復させたって言ったほうがいいかも

    すごいすごい!

    続きが楽しみです

  • 2012/05/26 (Sat) 07:51
    mikomona #- - URL
    pocoさん、こんばんは。

    すいません、昨日はお名前を間違えてしまいました…。
    コメントありがとうございます。

    そうですね、去年の退院直後に比べたら
    別人のようです。

    私は家ではけっこう放置しているんですが、
    デイサービスでは、いつも皆さんの輪に入れて頂いて、
    おしゃべりやゲームに参加させてもらって…。
    それが良い刺激になっているのかな、と思います。
    本当にありがたいです。

    なかなか旅行に出発できず、準備のところでもたついてますが、
    のんびり更新しますね。
    読んでいただけたらうれしいです。

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2012/05/23 (Wed) 00:25

私は旅行が嫌いではありません。一人暮らししていた20代前半は、小金が溜まったら引越しか貧乏旅行をするのが何より楽しみでした。でも、猫と暮らすようになって長期の旅行が難しく

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