脳神経外科の主治医

主人の主治医は二人います。
一人は地元のクリニックから往診に来てくださるU先生。内科の先生です。
(在宅診療ですから、実際は『何でも診る科』ですけど)

もう一人はI大学病院の脳外科のT先生。
悪性脳腫瘍を専門に治療している方です。

今日はT先生のことを書こうと思います。


元々I大学病院を受診する経緯は非常にゴタゴタしてまして、
話が長くなるので割愛しますが、忘れもしない2009年の9月上旬、
持ち込んだMRIとぐったりした様子の主人を見て何も言わず、
「すぐ緊急入院の手続きを取りましょう」と言ってくださった先生はT先生とは別の方。
この先生には、一生足を向けて寝られないほど感謝してますが、
専門が違うので、T先生にお鉢が回りました。

きっとT先生は
「えっ、俺に…?」
と思ったのではないでしょうか。


お医者さん同士の縄張り争いって厳しいですからね~。

もちろん、そんなゴタゴタした経緯でI大学病院に飛び込んだ主人を
引き受けて治療してくれたT先生にも感謝です。
何しろ2度も命を救ってくれましたからね。



でも、いつも穏やかで何でも話ができる往診のU先生と違い、
治療のことしか話さないT先生には、
打ち解けてあれこれ相談するという事はなかったです。
「奥さん、今旦那さんはこういう状態ですから、こういう治療をする予定です」
「わかりました。お願いします」
「じゃあ頑張りましょうね」
「はい」
(あれっ、治療の副作用が何%の確率でありますとかそういう話は…)


「最悪の事態を覚悟しておいてください」
という言葉を聞きたくないので、それ以上突っ込めない私も私ですが…。
まぁ、医師とコミュニケーションが取れない代わりに、看護師さんという
時として医師よりも頼りになる方々を味方につけ、
なんでもかんでも聞きまくってましたから、それほど不自由は感じませんでしたけど。


だってT先生は診察はいつも数分だし、入院中も滅多に顔を見ないし(私も1日数時間しかいませんが)
お礼を言ってもイマイチ反応ないし…。



ま、まあいいんです。
外科医は腕。
結果が全て。
私は、主人の命を預けるに足る先生と信頼してます。


もちろん扱っている病気が病気ですから、全ての患者さんを救える訳がありません。
というか、最終的に完治する患者さんの方が少ないのでは?
悪性度が高いほど後遺症が遺ったり、何度も再発したりしますからね。
手をつくして治療しても、残念な結果に終わることのほうが多いかもしれないです。

そんな患者さん達の、必死な思いを受け止めて、時に絶望的な戦いにあえて挑む脳外科の医師たち。

頭が下がります。

徹夜明けらしく、真っ赤な目とボサボサ頭で病棟を小走りに移動するT先生、
死亡宣告をするために一人病室へ向かうT先生、
そして暴れる患者(主人のこと)を押さえつけてMRI検査を受けさせるT先生。(笑)
(脳外科病棟での記憶はいろいろな意味でショックなことが多く、
 今でもあれやこれやフラッシュバックして、鮮明に瞼に浮かびますね~)


そして大学病院ですから、臨床だけでなく学生・研修医の指導もありますし、論文も書かなくちゃいけないし、
様々な学会にも出なくちゃいけません。

やりがいはあるけどきつい仕事だなぁ…。


だからT先生に全然不満はないんです。
ただ、もうちょっと気さくに話せる先生だといいなぁ…なんて贅沢な事を考えてしまうのですよ。



さて、先日I大学病院のweBサイトを見ていたら、
T先生が他の大学病院、製薬メーカーなどと共同研究をした、
レーザーで脳腫瘍を取り除く手術法が、無事治験を終了して
年内にも認可される見通しだという記載がありました。

治験の対象のとなったグリオブラストーマ(初発)とは、悪性脳腫瘍のなかでも最も予後が厳しい病気の1つ。
主人が患ったPCNSLも再発率が高く進行が早い病気ですが、それよりも恐ろしい病気です。


以前読んだ『医者が末期がん患者になってわかったこと』も、グリオブラストーマに罹ってしまった脳外の先生のお話です。
壮絶な闘病の様子を淡々と書かれていて、身震いしながら読みました。




なお、上記のレーザーで正常細胞を残し、腫瘍を効率よく取り除ける手術の内容が評価され、
T先生は日本レーザー医学会総会賞を受賞したそうです。


すごーい。


「先生、すごいですね!weBサイト見ましたよ~~。
 これで教授の椅子が近づきましたね!」

なんて笑いながら言ってみたいものですが…。


言えない…。(笑)
多分
「そんなこと言わないでください」
と真顔で怒られること間違いなしでしょう。
(そういう先生なんで)


何はともあれ、T先生、心から感謝しています。
くれぐれも健康に留意してこれからも活躍してください。
1人でも、脳腫瘍に苦しむ患者さんを救って下さい。
応援してますよ~~。


と言っておいて最後になんですが、
今後主人が再々発した場合は、脳外での治療を諦め、即緩和ケア行きも選択肢にあります。
果たしてもう一度腫瘍と闘うことができるか(化学療法は体力勝負)、
治療が成功して生き残っても、寝たきりで意識が戻らないような状態になったとしたら?
それが本当に幸せなのか?

よ~く考えなくてはいけません。
悪性脳腫瘍という病気の、これも難しいところです。

ねえ、T先生。



コメントのお返事遅くなっててすいません。
週末には何とか!
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Comment

  • 2013/02/23 (Sat) 07:59
    あんぱん父さん #- - URL

    以前Y先生(NHKの健康相談に出てた)の会話思いだしました。
    母さんが弟のかかりつけ医と揉めたとき(癌を信じてもらえなかった)
    医者にも色々いるからねぇ~(なにかあったのかしら)、相手にしなけりゃいいよ・・・だって。
    先生、肩書きなんにもないんだけど、そんなもんオママゴトだそうです。

  • 2013/02/23 (Sat) 10:30
    みのねこ #- - URL
    外科医は腕に同意です^^;

    本当に脳外科医師は多忙ですよね。
    そう言われてみれば…、大学病院の脳外病棟では、
    脳神経外科の先生方いつも速足で廊下を歩いていらっしゃいました。

    >外科医は腕。
    >結果が全て。
    >私は、主人の命を預けるに足る先生と信頼してます。

    我が家も全く同じです!

    でもmikomona様…

    >「先生、すごいですね!weBサイト見ましたよ~~。
    > これで教授の椅子が近づきましたね!」

    あわわっ!
    そのセリフは言っちゃあ…^^;
    私も言いたくなるではないですか!^^
    (すごく的を得た、スパイスの効いたセリフです。拙漫画で使いたくなります!)

    グリオブラストーマは…本当に脅威です。
    脳組織はメスで切り離しが出来ない、不可侵の領域なのですよね…


    みのねこ 拝

  • 2013/02/24 (Sun) 20:32
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  • 2013/03/02 (Sat) 11:01
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