引っ張らない身体介護(話はひっぱるかも) 座り直し編その2

<前回>の続きです。

そもそも何故こういう話をブログに書こうと思ったかというと、
この『座り直し』を知らないヘルパーさんが結構いたからです。
(うちには座り直しに限らず、片麻痺の人への身体介護をほとんど知らずにやってくる
 若いヘルパーさんが多いんです)


もちろん知らないヘルパーさんには丁寧に個別指導しておりますよ。(面倒くさいけど)
なぜ『座り直し』が必要なのか、どういう状態が正しい座位なのか、
崩れた姿勢がどんな悪影響を及ぼす危険性があるのか、私の知っている範囲で全て説明します。


ヘルパーさんの中には座り直しをちゃんとやってくれる人もいます。
なかには、今回紹介するやり方を実践する人もいます。

以下、私が実際に目撃した例です。


1.まず、被介助者に両腕を胸の前でしっかり組んでもらいます。
座り直しその1
2.そして後ろから脇の下に腕を入れて両腕を握ります。(添えるだけという説もあり)
座り直しその2
3.被介助者に前傾姿勢をとってもらいます。
座り直しその3-1

この時、頭が前に動いて重心が前方へ移動し、お尻にかかっている圧力がつま先側へ移動します。
そして後ろから被介助者の身体を引いて、座り直しをする訳です。

何が難しいといってですねぇ。

そもそも片麻痺の人はしっかり両腕を組めない
当然そのまま前傾すれば麻痺側に傾く
結果、座り直ししても身体がずれてしまう


つまり正しく行うための前提条件から片麻痺は最初から除外されている…と私は見ていて思うんです。


あと前傾姿勢を最初から取らせずに引っ張り上げる人が多いんですよね~。
そもそも正しく習得できてないか、やってるうちにだんだん自己流になっていくのか…。

何故前傾姿勢が必要なのか?

座位時、人の身体の重み(圧力)は、お尻~太もも、足の裏にかかっています。
座り直しその22

このお尻~太ももにかかっている重さは上半身の重みなので、
このままだと重くて非力な人では動かす事ができません。

『重心が安定している』といえます。
安定しているので、当然動かしにくいのです。

そこで、前傾姿勢を取って頭を膝の方へ動かします。
座り直しその23
するとお尻~太ももで支えていた重みがつま先側へ移ります。
『わざと重心を不安定な状態にする』のです。
だから小さい力でお尻を持ち上げることができるのです。

この姿勢は『不安定』なので必ず介助が必要ですし、長時間取り続ける姿勢ではありません。
動きの中で重心が移動していく途中の姿勢です。


この理屈が分かっていれば、真上に引っ張り上げることがどれほど大変か、
介助者・被介助者双方にとって負担が大きいやり方だという事がすぐ納得できるはずです。

でも、経験豊富な介護職の人(特に男性)にはいくら言っても
「あ~、そうっすね。でも大丈夫っすよ」
という態度で、自信満々で『引っ張る身体介護』を続ける人もいます。
女性の方が非力なので『小さい力で動かせる』というキーワードに反応してくれますね。



で、そういう経験豊富な介護職の人がやるとどうなるかというと
座り直しその4-1

前傾姿勢が作れないままだと、支点(この場合胸の所)が動いてしまいます。
このままお尻を後ろに引こうとしても、引けません。
頭の重心がお尻にかかったままになっているので、お尻の除圧ができないからです。
しょうがないので、介助者は被介助者の身体を真上に持ち上げて除圧しようとします。


うわ~、いたそ…。
座り直しその5

しかもこれでは上半身が伸ばされるだけで、結局お尻を後ろに引く動作ができないんです。
結局『背伸び』して終わりってことも…。



「いや~~、背伸びすると気持ち良いですね!」
ってか??

あかん…。


これが『引っ張る身体介護』です。

では『引っ張らない身体介護』ではどうするか?



~続きます
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Comment

  • 2013/10/26 (Sat) 21:16
    ヒナまま #- - URL

    こんばんわ~

    座り直しかあ… あまり意識してませんでした

    ヒナも姿勢が悪いというかいっつもずれてしまうので、

    私も意識して直してあげるようにしなきゃですね、、、

    mikomonaさんはとても細かいとこにまでちゃんと気を使ってるんだなあと

    考えされられました。

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