7月3日(日)21:00~ NHK総合で放送されます。
先日、介護者が被介護者を殺してしまう悲しい事件について自分の思うところを書きましたが、
介護殺人は、在宅介護家庭の全てに潜む危機(というのは言い過ぎですが)だと思います。
もちろん、大多数の介護者は殺人など犯しません。
殺人どころか他の犯罪だって犯しません。
ごくまっとうに、社会的責任を果たしています。(当たり前です)
でも、介護は、ある日突然やってきて、介護者・被介護者の人生を一変させてしまいます。
それは時に、介護者の全ての力をふりしぼって立ち向かっても敵わないものになりえます。
愛情や責任感だけで続けていくことはできません。
かといって、急にやめることもできません。
(目の前の排泄物は待ってはくれないのです)
在宅から施設に移るにしてもまず施設に空きがないと無理ですし、
被介護者が生きているあいだはずっと利用料その他のお金が必要です。
そして介護を受ける立場にとっても、やはり介護は辛いものです。
主人を見てると本当にそう思います。
どんなに介護をポジティブな美しい言葉で飾ってみても、
そのすぐ裏にある深く暗い闇、
互いの心をえぐり合うような辛い体験をごまかせる訳ではありません。
私は主人と本気で殴りあったことがあります。
※本気ですが全力ではありません。誤解なきよう。
本来は助け合うべき二人が、にらみ合い、罵り合い、殴りあうのです。
何とも醜く、悲しい光景です。
加えるに睡眠不足、疲労の蓄積からくる精神的肉体的苦痛、経済問題、家族問題、地域からの孤立などの社会問題。
在宅介護を続けていると、にっちもさっちもいかない状況に追いつめられやすい。
一度追いつめられたら、独力で乗り切ることは本当に難しい。
確かに殺人は犯罪であり、許してはいけないものではありますが、
真面目に長期間、懸命に被介護者に向き合って頑張ってきた介護者が
身も心も、経済的にも追いつめられて、やむにやまれず家族を殺してしまい、
一生続く罪の意識に責められながら、かつ社会から犯罪者として罰せられるなど
私には耐えられない。
本当に怖い。
前にも書きましたが、私にだって介護殺人を犯す可能性があります。
理性では分かってます。
主人の残された人生が、穏やかで笑顔に彩られたものであるように努力すること、
できれば苦痛の少ない最期を迎えられるよう努力すること、
それが私の義務であり、私の心からの望みです。
でも裏を返せば、
主人が(そして私が)死んでしまえば、この苦しみが永久に終わることも分かっています。
というか
死以外にこの苦しみから逃れるすべはないのです。
その事実は小さな瓶に入った毒薬のように、私の心のどこかにぶら下がってかすかに揺れています。
書いてて怖くなったので、このへんにしておきます。
あ、でも、しつこいですが、私は主人を殺しませんし、自殺もしませんよ。
我が家は地獄ではありません。
場合によっては地獄になり得る可能性を認識し、
そうならないように生きましょうという話です。
ちゃんと書いておかないと、万一主人が亡くなった時に
「この人ブログに『主人を殺すかもしれない』なんて書いてますよ!」
なんて言われちゃいますからね。
おおっ、やっぱり怖いわ~。
最後に2つだけ。
1つめ
紹介しておいて何ですが、私にはリアルすぎて怖いので番組は見ません。
(どんな顔して主人と並んで見ればいいのやら)
2つめ
前番組の『真田丸』もぜひご覧くださいね!(関係者ではございません)
※話題性ではなく、演技がうまい役者さんたちがたくさん出演されていて、見ていて飽きません。
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