これは奇跡?と思ったけど、よく考えたら苦笑い…だった話

主人は2012年の春から、週に一度訪問ST(言語聴覚士)さんのリハビリを受けています。

言語聴覚士は、その名の通り、言語と聴覚のリハビリの専門家ですが、
嚥下の専門家でもあります。

主人のリハビリ内容は、言語に関するよりも嚥下に関わること、
例えば顔から首にかけての筋肉を緩めたり、舌の正しい動きの訓練をしたり、
空嚥下の練習(意識して唾液を飲み込む)をしたり、が多いです。
最後に簡単な言葉を話す訓練はしますけどね。

で、今日のリハビリが無事終わり、ST(言語聴覚士)さんが血圧やサチュレーションを測って、
「では○×さん今日はありがとうございました。また来週お伺いします」
と挨拶をして玄関に向かおうとしたら、

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

と主人がはっきり声を出したんです。

おおおお!!!

STさんも驚くやら嬉しいやらで
「すいません、次のところへ行かなくちゃいけないので、これで失礼します」
と言うと

また
「ちょっと、ちょっと待ってよ!」
と言いながら、時計を指さします。

もう少しいいでしょ?って言いたいのかな。
それとも、自分も、もうすぐデイサービスへ行くから一緒に出ようって言いたいのかな。

「いや~、○×さんにそう言って頂けるとすごく嬉しいんですが…」
「まだ、待って,待って」
「○×さん、今日は本当にすごいですね」

主人がこんなにはっきり、ちゃんと意味のある言葉を、タイミング良く話すなんて
一体何年ぶりでしょうか。

すごく嬉しくて、やっぱりリハビリ続けて良かったなぁって、しみじみ思いました。



………。


でも、夜になってふっと気づいたんですけどね。


「ちょっと待って」

って、私が1日30回は主人に言ってる言葉なんですよね。

30回を365日、単純計算で1年に11,040回。

デイサービスでも、多分スタッフさんが主人に何度も言ってるはずです。
それだけ聞かされたら、自然に口から出るようになるのかな?


ま、まぁとにかく、失語症といっても言葉が完全に失われる訳ではないのだと、
改めて認識しました。
主人の脳の中には、長年の人生で覚えた、たくさんの言葉がちゃんと残っていて、
ただ、それをスムーズに引き出したり、正確に発音する能力が障害されてしまい
うまく言葉が話せないのかもしれません。

ほんと、脳の働きってすごいですね。 

じゃあ、「ちょっと待って」じゃなくて、他の言葉もいっぱい話しかけると良いのかな?
「ありがとう」って1日30回話しかけると言えるようになるかな?
(私が疲れ果てそう…)
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Comment

  • 2017/03/31 (Fri) 21:52
    アワキビ #Bo81TlEs - URL
    No title

    mikomonaさん、今晩は。

    ご主人、言葉が出て、どんなにか嬉しかったことでしょう。
    おっしゃるように、失語症の場合は、言葉そのものを忘れてしまったのではなく、言葉の引き出しを自分で開けにくくなってしまった・・・ようなイメージでしょうかね。
    夫が通っている小規模デイにも、失語症の方がいらっしゃいます。(その方は、うちの夫が声を出さすに、手話しかしないので、同じ失語症だと思っていらしたことが、先日わかりました。)
    その方も、周りが話していることはよくわかるのに、自分で言おうとすると、言葉が出てこない。
    でも、何かちょっとした拍子に、言葉が出てくる時がありますよね?
    それがどういう拍子なのかってわかれば、いいのになあ。
    「待って、待って」はいつもいつも聞かされている言葉だから? そうかも~。

    最近は、ご主人、歌のほうはどうですか?

  • 2017/04/01 (Sat) 18:31
    mikomona #- - URL
    アワキビさん、こんばんは。

    コメントありがとうございます。

    歌は絶好調らしいです!
    こないだデイサービスで『銀座の恋の物語』をデュエットしたそうです(笑)

    主人の高次脳機能障害を見ていると、
    失語症に限らず、「意識する」とできないんですね。
    仰るとおり「何かちょっとした拍子に」だと、すらっとできる(ことが多い)んです。

    本人もそうだと思いますが、家族にとっても非常にもどかしい障害です…。

    今日は主人がショートステイなので、「ちょっと待って」を言わない、のんびりした日です。
    時間がたつのがゆっくりで、調子が狂いますね(笑)

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