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寒い時に寒い国の話を読む

最近、米原真理さんの著作を続けて読んでいます。
以前『旅行者の朝食』と『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を読んで、文章に力強さがあって良いなぁ~と思ってたんですが、
その後ちょっとブランクがあり…多分そう思った事を忘れていたんでしょう…(汗)

米原真理さんの何が良いって、読んでいると、ああ、本っていいな、文章を読むっていいなと
本の持つ魔力のようなものに、心底痺れる感覚を味わえること。
きっと、ご本人も読書がすごく好きな方だったろうなぁ、というのが伝わってきます。

子どもの頃、忙しい母が一生懸命読み聞かせをしてくれたおかげでたくさん本を読みました。
成人してからは一時期本から遠ざかっていましたが、電子書籍のおかげでまたちょこちょこ読む時間をつくってます。
紙の本も好きなんですが、何しろ収納の問題があり(気に入った本は手放したくない性格)
どうしても電子書籍に頼ってしまいます。

今年に入ってから『オリガ・モリソブナの反語法』を読んで、ああ、やっぱりすごい作家さんだな~と再認識。
主人の風邪の看病の合間に『マイナス50℃の世界』を読みました。

ロシアのヤクーツクという場所を訪れた時の話で、元は子ども向けなのでしょうか、とても平易な文章で書かれています。
内容は…寒い。想像を超える、常識が吹き飛ぶ、そんな寒さです。
そういえば、今季のヤクーツクも猛烈に寒かったそうで、最低気温は-62℃!
この寒気が日本へ流れ込んだそうですから、そりゃあ寒い訳です。納得。

それに比べて東京はなんてあったかいんでしょう!
うむ。寒い時に寒い国の本を読むのは理にかなってるわ。←なにが?


それにしても、ロシアはスケールが違いますね。
米原真理さんの著作から、ロシアの凶暴なほど豊かで圧倒的な自然の力にも屈せず、
そして革命、冷戦、ソビエト崩壊など人間が引き起こした地獄のような激動の時代にも屈せず、
助け合いながらたくましく生き抜いてきた、
ロシア民族の壮絶な生き様を垣間見ることができます。


話は変わります。

随分昔のことで、もう詳しいことは覚えてないんですが、
NHKのドキュメンタリーで、ソビエト崩壊後のロシアの街の片隅に生きるおばあさんの話でしたっけ…。
古びたアパートに家族と離れて一人暮らし、持病があり、日本で言うと要介護2ぐらいの方ですが、
福祉サービスは買い物ぐらいしかない。
それも物価はどんどん上がって、年金では必要最低限のものすら買えない。
離れて住む息子に「一緒に暮らしたい」と頼んでも、息子もいっぱいいっぱいでとても親を養えない。

具合が悪いのに病院にも行けず、じっとベッドに横たわったおばあさんの、
「わたし、ゆで卵が食べたいの。昔はよく食べたのよ。もう随分長いこと食べてないわ」(ちょっと記憶が曖昧なんですが)
という言葉に、胸を打たれた記憶があります。
当時の日本で、卵は1パック98円ぐらいだったはず。

その時は、本当に別世界のように思って見ていましたが、
今はどうでしょう。
私の将来は、このおばあさんに限りなく近づいているように思えてなりません。


そういえば、米原真理さんは、著作の中でこう仰ってます。
世界史的に見ても、 共産党が政権を奪取して国民が幸福になった例は皆無。 しかし、 野党である限りは、 かなり頼りになる。
米原万里. 偉くない「私」が一番自由 (文春文庫) (Kindle の位置No.3511-3512). . Kindle 版.



私の父は石炭鉱山労働者で、バリバリの共産党員でしたので、
当時の若い労働者たちが、社会主義にどれほど期待をかけていたのか、母から何度も聞きました。
その母も、思想こそ終生共産党寄りでしたが、共産党が政権をもつことにはあまり乗り気ではなかったように感じています。
(お母さん、勘違いだったらごめん)

そして私はといえば、すいません、デモっていうのが苦手で
いえ、デモに限らず、大きな声で他人を糾弾するのを聞くのが本当に苦痛で、
そういう、声の大きさを競い合うような活動には近寄ることもできません。(お父さん、ごめん)
真面目にデモをされてる方を非難するつもりはないですし、デモが悪いと言うつもりもないですし、
言論の自由を冒涜するつもりもないんですが、
子どもの頃から大きな音がする場所が苦手だったので…。
どっちの側であろうとも、耳にするだけですごく苦痛なんです。はい。

※相手に、せめて最低限の尊厳を持った態度で接し、批判したり対案を出して議論するという活動は大丈夫です。


ありゃ、随分話がそれましたが、とにかく人間は多少の寒さ暑さには適応できる生き物なんです。
特に私なんぞは、福井や新潟のような厳しい雪害に襲われた訳でもないんだもの。
寒い寒い言ってないで頑張ろう!

それに、春はすぐそこです。
気がついたら梅の花がちらちらと咲き始めましたね。


『みの虫の 古巣に添ふて 梅二輪』
与謝 蕪村. 蕪村句集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) (Kindle の位置No.3843-3844). . Kindle 版.


豪雪の被害に遭われた地域の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
また、この寒さのなか大地震に見舞われた台湾の皆様にも。
どうぞ、一日も早く被害が復旧されますように。
私も僅かではありますが、できる範囲で支援させて頂きます。
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Comment

  • 2018/02/21 (Wed) 23:32
    アワキビ #Bo81TlEs - URL
    No title

    米原万里さんの本は、ロシア語通訳者としての経験をもとに書かれた『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』しか読んだことがないのですが、とても面白くて大好きでした。どのように通訳をするのか、内容が多少アレでも耳に心地よいなめらかな通訳にするのか、あるいは、たどたどしくとも一言一句正確な通訳にするのか・・・というような問題なのですが、不肖私も手話通訳者の末席を汚していた者として、いろいろ考えさせられました。
    米原万里さんの「通訳論」の講演を聞いたこともあります。私はとても共感することばかりだったのですが、その後、参加者の感想の中に、ぼろくそに批判しているものがあって、とてもびっくりしたものです。同じ話を聞いても、こうも受ける印象が真っ向から違うということもあるのだなぁと。
    そんな思い出がある米原万里さんです。
    ここ数年、私は本を読むことがまったくできていません。
    mikomonaさんは、お仕事をされていて、介護をして、お料理やお裁縫、読書もちゃんとできているのに、私は何をしているんだろう・・・?
    米原万里さんの他の本、読んでみようかなぁ・・・kindleなら、夫が寝た後、部屋を暗くしても読めますもんね。

  • 2018/02/25 (Sun) 20:46
    mikomona #- - URL
    アワキビさん、こんばんは。

    コメントありがとうございます。

    そうでした!アワキビさんも同時手話通訳の豊富な経験がおありなんですよね。
    米原真理さんの講演を聴かれたなんて、羨ましいです!

    私は以前字幕翻訳の仕事(翻訳家ではなく、字幕データを作る仕事)をしていた事がありますが、
    字幕翻訳には字数制限があるので、全てをストレートに訳す事はできないのです。
    わざとカットする台詞もありますし。
    細かくて大変な仕事でしたけど、楽しかったですね~。

    私の読書は、通勤電車の中がほとんどです。
    介護に『関われない』貴重な時間(笑)、短時間ですが集中して読めます。
    時々本の内容に引き込まれて乗り越しちゃったりしますけど…。

    例えどんな人でも、知名度が上がるとアンチも増えるのだと思ってます。
    最近仮想通貨がらみで、いわゆるインフルエンサーな人たちのSNSでの発言をよく見てますが、
    まぁいろんな人がいて、いろんな意見があるものですよね。

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