『もう一度、一緒にご飯食べるまで』 備忘録 #04

前回の続きです。

ヨーグルトやゼリーからさらに食上げ(食形態を常食へ近づけていく)するには、やはり嚥下食は避けて通れません。
でもどうやって作ったらいいんだろう。

2011年当時は『あいーと』や『やさしい献立シリーズ』など、便利な市販の嚥下食がありましたが、それでも主人が飲み込めるかどうかは分かりません。
せっかく体調も覚醒レベルも良くなっているのに、もしここで肺炎になってしまったら…。

そこで、まずは流動食を半固形化するのに使っていた『ミキサーゲル』で、みかんのゼリーをつくってみました。

みかんをむいて、皮を全部とり、ハンドミキサーで十分にすりつぶし、ミキサーゲルを加えてさらにミキサーで混ぜます。
あとは型に入れて少し冷やせばできあがり。
※ミキサーゲルは常温でも固まりますが冷たい方がおいしいので

結論。
めんどくさい!めんどくさいよ、これ!
とてもじゃないですが、仕事しながらこれを3食つくるのは無理。

それに、結局これでは滑らかすぎて、嚥下ゼリーと変わりません。

うーむ…。

※ミキサーゲルは、果物だけでなく、肉や魚、野菜など、いろんな食材で嚥下食がつくれます。
 温かくても溶けにくいです。市販のお惣菜(ハンバーグなど)も嚥下食にすることができます。
※こうした嚥下食をつくるゲル化剤一般にいえると思いますが、十分な水分がないと固まりにくいので
 カロリーを別の栄養剤で補うなど、工夫が必要です。


そうこうしているうちに、主人は元気になってきました。
週一のPTリハビリも順調です。


悩みながら、ですが、まずはフォークで潰したバナナを出して、飲み込めるのを見てから
だんだん形を残していき、薄くスライスしたもの、徐々に厚く切って、そしてバナナ半分をかじって食べられるまで、
2週間ぐらいかけて続けました。

いつも覚醒レベルが良い訳ではないので、本当に毎回様子をみつつ、ちょっとずつでした。

それから、主人は甘いものが好物なので(糖尿病になったぐらいですから)生クリームがのったスフレケーキや、
柔らかいクリームパンなどを一口二口食べられるようになりました。

本人は喜んでくれるんですが、やっぱり形態が上がるにつれ、むせる事も多くなりました。

この段階で失敗したのはアイスクリームと、とろみをつけない果汁でした。
アイスクリームは口の中で溶けてしまうので、誤嚥の危険性が高いですね。
とろみをつけない果汁というのは、つぶした果肉と一緒にとろみをつけずに食べさせた果物という意味です。
果肉は口に残るけど、果汁はそのまま気管に入ってしまったようです。
食べ終わってから大量の痰が出てびっくりしました。


後でSTさんに教わった嚥下食の基本的な考え方は
★粘度(とろみ)があること
★均一であること
★口内で溶けないこと
でした。

ちなみにアイスクリームですが、ビスケットサンドという賞品があります。
これは溶けたアイスを柔らかいビスケットが吸収してくれるので、口の中でちょうどよく食塊ができます。
主人もむせずに食べられることができたアイスです。

10月ぐらいから、時々固形物にトライしてみました。
湯豆腐は失敗。
ティラミスは大成功。

主人には申し訳ないんですが、ほんと無茶ぶりの激しい嚥下リハビリですね。
肺炎にならなかったのが不思議なくらい。嚥下の神様が護って下さったのだと思います。


そして、12月、往診のU先生のクリニックでクリスマス会に参加した時、
出されたケーキを食べて、正式に(笑)経口摂取をカミングアウトしました。

U先生も看護師さんたちも、主人が実際に食べる姿を見て驚き、喜んでくれました。
怒られなくて良かった…。

もし、最初から先生に相談していたら、どうなったか分かりませんが。
結果オーライです。(こらっ)

もう後には引けません。
幸い、主人はすっかりやる気満々で<当時の記事>本格的に固形物に挑む環境は整ってきました。

そして2012年を迎えます。

続きます。
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Comment

  • 2018/05/05 (Sat) 06:28
    タンム― #- - URL
    No title

    おはようございます。
    昨夜訪問したけど眠くなってコメントできなかった。
    mikomonaさんも普段はなかなか心置きなく
    ぐっすり寝ることが難しいと思うけど。
    ご飯を食べるのって命がけの行動なんだな。
    健康な人でも食べ方間違えると危険だけど、
    無神経にものを食べられるのがどれだけ贅沢なのか。
    生きるために、生きる喜びをかみしめるために
    他の生き物の命を頂く。それは肉でも野菜でも同じだね。
    感謝して頂かないと。

  • 2018/05/06 (Sun) 11:33
    mikomona #- - URL
    タンムーさん、こんにちは。

    コメントありがとうございます。

    個人差はあるでしょうが、健康な人は滅多にむせないと思います。
    嚥下ってすごく繊細で絶妙な動きの組み合わせで成り立っているので、
    逆立ちして牛乳飲むこともできます(笑)子供の頃やりました~

    だから一つでも歯車が狂うと、スムーズに飲み込めなくなってしまうのですよね。

    今でもとろみをつけない水をごくごく飲む事はできません。
    これから暑い季節なので、これは本当に気の毒だなぁと思います。

    その代わり胃ろうがあれば、脱水の危険もないので介護する方にとっては安心なんですけどね。


    今日で連休も終わりですね。
    タンムーさん、奥様やお子様達と楽しく過ごせたでしょうか?
    おいしいものたくさん食べて、明日からまた頑張りましょう~~!

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